人工幽体離脱の技術が開発されるまでの道程
文明の歴史は戦争の歴史であり、その根源は人間が持つ飽くなき物質欲にあります。今現在もウクライナをはじめ世界の各地で人間同士の争いが続いておりますが⋯人間が意識だけで楽しく過ごせるようになれれば、戦争もなくなるかもしれませんね。だから、文明の究極的な進化形態は、精神衛生上もっとも効率的な非物質的価値観への完全脱皮⋯すなわち、意識世界へ解脱した状態の形になるはずです。高度な科学技術水準を有するまでに至った地球外知的生命体は、異次元空間で意識だけの状態となり、自らの文明を維持しているものと思われます。死後の世界のカテゴリーで、文明がそこまでに至る過程について少しだけ触れてみましたが⋯もっと、より具体的な事柄をまじえる形で話を進めて行こうと思います。どうやって肉体と意識が分離されるようになるかです。
ところで、ドラえもんの秘密道具で一番欲しいものはなんですか?やはり⋯多くの方は「どこでもドア」を選ぶと思います。私も欲しいですね。ただ、いきなり与えられても、すぐに使用しようとは思いませんね。これで海外旅行に行き放題と喜び、すぐにドアの向こう側へ足を踏み入れてはいけません。前回の記事でも指摘した通り、意識の同一性が担保されたものなのか不安です。米人気SFドラマで定番の「転送装置」なんか、送信前の自分と送信先の自分は完全に別人だと思います。量子レベルの分解、ビーム搬送による伝送と説明されていますが⋯まず、どこでもドアで同じ場所に出ることを試みます。別の角度から出口となるドアが出現、そこには今の自分と同じ自分がいることが確認できるはずです。どこでもドアを介する形で、腕でも伸ばして自分で自分を触ってみます。
自分で自分を触っている感触が確かにあれば⋯しかし、それでも意識の同一性が保たれていると言い切る根拠にはなりません。虚像反転のような現象かもしれません。光学的な現象が意識レベルで起きていないとも限りません。そこで⋯どこでもドアを横向きの姿勢で跨ぎ、体の半分だけ向こう側に出して見ることにします。頭(=脳)を完全に向こう側に出してしまったら危険だと思われるので慎重にやります。その状態で意識に特段おかしな変化が見られなければ安全だと思われます。内在性解離のように二人の自分がいるような感覚になったら危険だと言えるでしょう。しかし⋯向こう側へ行くはやめます。そして、二度とやろうとはしないでしょう。やはり、オリジナルの自分が残されているからこそかもしれません。生身でテセウスの船のパラドックスは恐怖以外何者でもない。
どこでもドアの原理はやはりワームホールだと思います。一見すると人間が安全に通過できるものに思えますが⋯通過した後の自分はまったくの別人になると考えた方が適切でしょう。つまり、元の自分は〇んで、元の自分の意識はどこでもドアの入口と出口の境界面(=異次元空間)に吸い込まれると考えるのが妥当です。実は⋯ドラえもんとのび太君は、すでに数えきれないほど〇んでおり、どこでもドアで通過を繰り返す度、二人の意識は異次元空間にもコピーされ続けており、死後の世界は⋯たくさんのドラえもんとのび太君が存在しているかもしれない。光速突破の技術開発なんかよりも、意識の一意性が保証された技術開発の方が重要な上⋯遥かに難しいかもしれない。しかし、解決策がない訳でもなさそうだ。量子テレポーテーションによる人工幽体離脱の可能性だ。
ワームホールによる瞬間移動の件はひとまず横に置いておきます。そんなものよりも今は意識の同一性が担保できるかです。あと、ドアを一番最初に通過した時の自分が本物の自分なんだから、肉体と一意性の保たれた意識の分離はそれでOKじゃんと言うツッコミはなしです。ここでは、生命として〇によるものでなく、人工的にそれをどうやって安全に実現するかを猛烈に気にしています。オカルトに興味があったり、超心理学を研究している者がこんな発言をしたら身も蓋もありませんが⋯ぶっちゃけ、前者によるものは本当に〇んでみなければわからん話です。とりあえず、技術的な実現性についてであるが⋯もちろん、現時点では荒唐無稽で物理屋なら茶を吹くバカげた話だ。お前、量子テレポーテーションの意味わかってんの?とツッコミを入れたくなるだろう。次回へ続く⋯