意識が一元的に保管されている場所が宇宙のどこかにあるらしい

投稿日 2023.03.02 更新日 2023.03.08
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量子テレポーテーションとは、かんたんに言ってしまえば⋯相反関係、真逆の物理状態にある二つの量子同士(量子もつれ)の反応になる。これは瞬間的に行われ光の速度を無視するものとなる。二つの量子がどんなに遠く離れていてもである。何かが片方からもう片方に瞬間移動している訳ではないが、見かけ上そのように思わせることから、テレポーテーションの言葉が付け足された。粒子のようなものが光の速度を超えて移動している訳でない。もろもろの前提条件をクリアしておく必要はあるが⋯この原理を応用することで、光速を越えた通信に期待が持てる。あくまでも期待で現実的には不可能。昨今ではワームホールとの近似性も指摘されているが、ここではどこでもドアの件に触れず、量子テレポーテーションで意識の同一性をどうやって保つかについて話す。

現状において仮説に過ぎないが⋯ホログラフィック宇宙論がかなり有力なものとなって来ているようだ。我々の住むこの宇宙⋯三次元空間は、二次元空間に蓄積された情報から映し出された3D映像のような世界に過ぎないことが解りつつあるようだ。ただし、数学上の話になるが⋯しかし、現代物理学は数学的探索を経て、多くの現象を解明して来た実績のある学問である。期待して良いだろう。話を元に戻すと、二次元空間の元データともなるべき量子的な何かと、この世界のありとあらゆる物を構成する量子が、冒頭で触れた「量子もつれ」により対の関係性にあると言える。この世界のありとあらゆる物⋯つまり、意識も含め、宇宙のどこかの時空間に一意的に保たれているとも考えられなくもない。これと上手い具合に同期を取ることができれば人工幽体離脱が叶うかもしれない。

単純に意識を肉体から引き離すだけは、カット&コピーみたいなもので、元の意識は永久消滅することになる。しかし、別次元(二次元空間)にあるとされる元データ、意識の源泉を司る量子的な何かを介する形で行えば、肉体から引き離された意識は元の意識とまったく同じになると言える。死後の世界のカテゴリーでも触れた話であるが、果てしなく遠い未来の素粒子物理学、量子力学がそれを可能にするだろう。オカルトの世界では⋯よく、霊魂は四次元空間の存在に例えられる。すなわち、幽霊の正体は四次元空間から我々の住む三次元空間にはみ出て来た霊魂の一部とされる。このサイトでも「死後の世界」は四次元以上の高次元空間にあるものと考えている。しかし、物理学では二次元空間に解を導き出したようだ。三次元の我々が二次元へはみ出る日がやって来るだろう。

もう少し解りやすく説明してみよう。例えば、A地点とB地点を直接的に結ぶ量子テレポーテーション⋯つまり、それで自分がA地点からB地点へ瞬間移動しても、B地点の自分は自分のコピーに過ぎず、元の自分は〇ぬことになる。この問題は転送装置やどこでもドアに限られない。体内から体外に意識を移動させる場合にも同じことが言える。しかし、C地点に意識の源泉(=本当の自我)があるとすれば、A地点とC地点の量子もつれを、B地点とC地点の量子もつれに切り替えれば、コピーではない⋯まったく同じ意識、まったく同じ自分が、A地点からB地点へ転送できるようになるのではないか⋯そんな感じの話になる。B地点は何も同じ三次元空間でなくても構わない。四次元空間へ送り出せば、永久的に意識だけで存在し続けることが可能となるかもしれない。

文明を永久的に存続させるためには、主星の寿命が尽き果てるまでに光速突破の技術を手に入れ、数百光年レベルの範囲まで活動領域を広げなけばならない。ただ、アインシュタインの相対性理論でも指摘されている通り、宇宙船を光速以上のスピードで飛行させるのは不可能だ。ならば、ワームホールがあるじゃないか!意識の同一性を保つ手段も確立されたことだし、みんなで安心してワープしよう!と言う話になると思う⋯果たして、片側だけから空間をねじ曲げたり、量子もつれの切り替えが可能か疑問である。結局、ワームホールの出口生成を受け持つジェネレーターや、量子もつれの切り替え先にも送受信機が必要となるので、これらの機械をどうやって運ぶか?と言う問題に帰結する。もろもろの前提条件とはそう言う意味である。四次元に活路を求めるのは必然である。