超未来宇宙文明の宗教や信仰はどうなる?

投稿日 2023.05.07 更新日 2023.05.10
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前回の話の続きである⋯イマジナリーフレンドを引き合いに出したが、論点にしたい対象は「神」となる。別記事でも述べた通り、科学が未発達で人々の自然に対する畏怖心が強かった時代は、大人でも感性の強い者であったなら、イマジナリーフレンドが発生し得た可能性は十分あったと考える。預言者はそれを神と認識したのかもしれない。それはともかく、量子テクノロジーが一般化した文明社会は、効率的な集合知の社会になるとも言える。そのような条件下で宗教や信仰は一体どのように変遷して行くのか興味深い点となる。地球に宇宙人がやって来ているとは思えないが⋯そのような高度な科学技術水準にある宇宙文明では、どのような感じのものになるのか気になるところだと思う。科学技術が究極的に進歩すると宗教はなくなるのか?果てまた⋯

結論を述べる前に、少しおさらい。科学技術が究極的に進歩した文明とは、異次元空間でのみ存続することを選んだ文明と考える。宇宙空間での種の拡散は時間と労力の無駄であることに気づき、ワープ技術の研究開発の過程で解明されるようになった異次元空間に、文明存続の活路を見出すように考えが変わって行くのは必然だろう。未来の人々は次々と肉体を捨てて異次元空間へ移住して行くだろう。そうなると、生物の基本的な仕組みとも言うべき生殖機能であるが⋯恐らく、異次元空間の社会でも育まれるものになるだろう。ただし、単細胞生物が分裂して増えて行くような無性生殖によるものとなるに違いない。意識の中から別の意識が分離して、異次元文明の人口は増えて行くのかもしれない。未来ではイマジナリーフレンドのような現象は誰でも普通に起こり得ているだろう。

生物は交配を繰り返すことで、環境に適応した遺伝子のみを残したり、新しい種を分岐させて生態系の多様化に寄与して来た。これは意識も同じことになると言えるだろう。まったく同じ意識だけが永遠に維持される空間は、いずれ活力を失い波動の停滞を招くだろう。つまり、みんなが永遠に飽きてしまい、思考や想像の鈍化を招くだろうと言う話だ。意識の波動が完全にゼロになれば、それは現実空間における「死」と同等のものになるかもしれない。そうして、次々と意識は消失して行くだろう。すべての意識がなくなれば文明もそれまでのもとなる。それを回避するために、イマジナリーフレンドのようなものが推奨されるようになるかもしれない。さらに、多くの人の意識を異次元空間の特定地点に作用させることで、本当に「神」を創造するようになるかもしれない。

やがて、現実空間に実存していた人の意識は少数派となり、異次元空間で生成された意識が多数派を占めるようになるかもしれない。さらに「神」までも⋯しかし、その創造の過程は宗教のそれとは程遠いものになるかもしれない。とりあえず、どのような文明社会も統治機構がなければ維持することができないのは言うまでもない。異次元文明は極端な仮説に過ぎないが⋯そこまでのレベルに至らなくても、未来社会における社会システムは、次々と量子化が推し進められて行くだろう。そのあたりの段階から、量子テクノロジーによる「民意の平準化」が理想的な民主主義として模索され始めるようになると思う。異次元空間の中で多くの人の意思を特定地点に作用させ、今度はそれを全体に作用させることで、民主主義を科学の力で効率良く実現できるようになるものと考える。

異次元空間の中において、すべての意識は対等な関係になるので、独裁者は誕生し得ないだろう。一人の意識で無数の意識をコントロールすることは不可能となる。そうなると多数派が有利になり、時として文明が暴走状態になるリスクもあるようにも思えるが⋯異次元空間の中にあるすべての意識とリアルタイムに直結しているため、誤り訂正や抑止機能は確実に働くだろう。それが超未来文明の神へ昇華して行くだろう。科学技術が未発達であった太古の時代、為政者が民衆をコントロールするため、しばしば、宗教や神の存在が利用されて来たが、科学技術が極限まで発展した未来社会ではそれと反対の現象が起こるだろう。既存宗教の神も概念として取り込まれ、超未来宇宙文明の神は絶対神であるも多数の神を重複する役割を果たし、過去の宗教対立は馬鹿らしい遺物と化すだろう。