見知らぬ遠い宇宙より近くの異次元空間

投稿日 2023.03.15 更新日 2023.03.21
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光速突破と意識の同一性が担保された技術を開発するも⋯出口はどうやって生成するか?そのための装置をどうやって運ぶのか?本末転倒なオチにぶち当たると思う。え?宇宙戦艦ヤマトの波動エンジンや次元潜航艇みたいに単一装置でできないの?と思うことだろう。無理だと思う。我々の住むこの三次元空間の物体を異次元空間へ投入すると、量子レベルにバラバラに分解される。非物質世界なので物質のまま存在することは不可能である。そして、再び三次元空間の別の位置に出たいなら、バラバラに分解したものを物質に再結合する必要がある。そのための装置はどうするか?と言う話に帰結する。もちろん、遠い未来の人のやっていることなんか予想できない。しかし、こればかりはどうにもならん気がする。もちろん、近くであれば可能だが近くでは意味がない。

分解された量子を物質に戻すには何らかの物理的な装置が必要となる。身近ものでわかりやすく例えるなら⋯水をボイラーで沸騰させて水蒸気を発生させるとする。水蒸気を再び水に戻すには何らかの冷却機能のある復水器が必要となる。水蒸気で水蒸気を復水することはできないように、量子で量子を物質へ戻すことができるのか疑問。そう言う話である。近くであれば可能だが近くでは意味がない⋯と冒頭で書いたが、種の恒久的な存在と光年レベルでの拡散と言う崇高な目標が前提条件でなければ、ヤマト運輸や佐川急便は商売あがったりになるだろう。手始めに、未来の物流システムとして活用されることだろう。自宅の郵便受けがそのままワームホールの出入り口と化す。それでも、しばらくの間は玄関をどこでもドアに変えることは多くの人に躊躇われ続けるだろう。

スタートレック・エンタープライズのアーチャー艦長ですら⋯転送装置の使用を強く躊躇っていた。遺伝子組み換え食品から昨今のコオロギパウダーまで、人は自らの体で始めてとなる何かを試すのは⋯わりと強い勇気が必要となる。理屈と気持ちは別問題である。この件については、また別の機会で語りたい。話を本題に戻すとして⋯量子テレポーテーションを利用した通信システムやワームホールの物流システムが登場し始めると、文明が究極的な進化形態へ進むための変化の兆し、布石となる出来事が政治経済面で次々と起こり始めるだろう。異次元空間も文明のリソースとして認識されるようになり関連の法整備が進むと思う。ワームホールの野放図な使用は許されない。転送装置でバイトテロをやらかすバカを抑止する意図からも、社会科学の側面からも異次元の研究が進むだろう。

いつの時代も⋯理系な人の暴走を食い止めるのが文系屋、事務方の仕事だ。未来もきっとそうだろう。いや、そうでなければトンデモない状況が生まれる。もちろん、全員とは言わないが⋯理系な人は良く言えばスペシャリストだが悪く言えば専門バカである。そんな連中に社会の行く末を託してはならない。理系出身の自分が言うのだから間違いない。異次元空間の利用方法、活用方法は文系屋が決めるべきだろう(この発言内容に悪意はない)。それはともかく、今は出口の話だ。ワームホールの出口で何らかのトラブルが発生したら、異次元空間で迷子になってしまう。物なら致し方ないが人間だと問題だ。万が一の際、リセットできるよう入口は緊急時の出口も兼ねなければならない。いや、それでも不十分だろう。異次元空間の中も座標できちんと統制されるようになるだろう。

電波が文明社会を維持するために必要なリソースであるように、量子の波動も未来の総務省、政府が管理することになるだろう。こうして、異次元空間の中も仮想的なインフラ、異次元文明の下地のようなものが構築され、移動手段としてだけではなく、そのうち、物を量子化して保存する場所、四次元ポケットのようなものとしても活用されるようになるだろう。社会のあらゆる要素が量子と無縁でなくなり、通貨や銀行口座すら異次元空間で管理されるようになるかもしれない。いや、物としての価値を早くから失うのが通貨かもしれない。量子合成でお金を偽造する不心得者は必ず出て来るだろう。だから、通貨は量子状態でのみしか価値が認められなくなるだろう。そうなれば、人々の物に対する価値観も大きく変わり、やがて、異次元空間のみでの生活を考えはじめるだろう。