宇宙巨大建造物は実現できるのか?

投稿日 2023.05.26 更新日 2023.05.26
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ガンダムの世界観に見るような宇宙巨大建造物、スペースコロニーは将来実現し得るものなのか?所詮はアニメの産物だろう⋯そう思われる人も多いだろう。結論から言うと、実は既存技術でも作れなくはない。費用が莫大過ぎて経済的に無理なだけの話に過ぎない。起動エレベーターにみるようなコストパフォーマンスの良い宇宙往復システムが開発されれば、スペースコロニー建設までの現実的な道筋も見えて来るかもしれないが⋯恐らく、建設しようと思われないだろう。アニメにしろ小説にしろ、スペースコロニーが登場して来る多くの作品が、その前提条件、作品設定として「人口増加」や「食糧危機」に対応するためとしている。ぶっちゃけ、その心配はいらない。その心配がないのだから、スペースコロニーなんか必要とされないだろう。

何をもって心配がいらないのかと言うと⋯まず、人口問題から考えてみる。先進国の少子化問題を見れば、将来の地球人口は明らかに減少に転じるのは目に見えているからだ。少子化問題を引き合いに出すのは曲解が過ぎるかもしれない。しかし、さすがに数百年後の未来の地球から発展途上国はなくなり、すべての国が先進国となっているだろう。生活が豊かになり人生設計の見通しが効きやすくなると、必要以上に子供を作ろうとしなくなるだろう。非常に言葉が悪く、不謹慎な例え方になるが⋯発展途上国ほど出世率が高いのは、貧乏人の子沢山なる諺にある通り、貧しい故に子供をたくさん作る必要があるからだ。医療水準が低い地域ともなれば、抵抗力の弱い子供は早死にしやすい。将来の労働力と子孫を確実に残す意図から、たくさん子供を作る必要があるからだ。

次に、食糧問題であるが⋯ぶっちゃけ、あと100年もしないうちに、飛躍的に進歩した農業技術やバイオテクノロジーのおかげで、この地球上から飢餓なんてものはなくなっているだろう。他の科学技術分野と比べ、比較的、難題や課題に対する敷居は低い。食べるものに困らなくなれば、人は争うこともバカらしくなり、戦争も今ほど起きにくくなるだろう。戦争の最大の犠牲者は子供である。上述した内容にもある通り、安心して子供が育てられる環境が確保されれば、良い意味で出生率は抑制されるだろう。ただし、どのような形で科学技術の力により食糧問題が解決されるかは未知数である。昨今のコオロギ問題に見るよう、この件でこれ以上考察を続けると、一部の人達から反感を買うことになりそうなのでやめておく。とりあえず、この点に関してはまだ時間が必要だ。

以上の点を鑑みれば、スペースコロニーなんて必要とされないだろう。何よりも、人口が減れば地球環境もたちまち改善、復活する。遠い未来の地球は緑豊かで空気の美味しい惑星に勝手に生まれ変わっているだろう。そもそも、宇宙空間に率先して住みたがる人なんていないだろう。スペースコロニーは回転運動により重力を人工的に生み出す仕組みとなっているが⋯もちろん、そんなものを実体験した人なんて一人もないが、乗り物酔いのような状態になる人が続出する恐れが指摘されている。体調を崩してそこでの生活に耐えられない人も少なからず出て来るだろう。個人的には、どんなに大きなものであったとしても、一生をそこで過ごし耐えられる人なんて皆無だろうと思う。現実の離島生活にも見るように、宇宙都市は物価も高く大変生活しづらい場所になるだろう。

どんなに科学技術が進歩した宇宙文明であっても、宇宙空間に巨大な建造物を作ろうとは考えないだろう。それ以前にある既存の技術で、社会問題の大半は解決できるだろうし、独裁者の国威発揚による自己満足でもない限り、時間と財力の無駄となる。ダイソン球やデススターなんか登場し得ないだろう。てか、作る目的がない。あと、成熟した文明に独裁者は登場し得ないし、完璧で理想的な民主主義が浸透しているだろう。まぁ、主星滅亡の危機が迫る前くらいには、これまで述べて来た通り、量子テノクノロジーも現実的な技術として実用化されているだろうから、人々はさっさと異次元空間へ避難し終えているだろう。ただ、軌道エレベーターはわりと実現しているかもしれない。未来社会に必要不可欠なインフラ設備となるだろう。次回は軌道エレベーターについて語ろうと思う。