オカルト小説「Re:タルパ戦争」フィラデルフィアの悪夢

投稿日 2023.09.24 更新日 2023.11.28
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木口、浮島、更梨⋯この三人の思いが交錯する。しかし、余韻や感傷ようなものに浸っている暇はない。間もなく、時刻は再実験の開始が予定されている21:00に迫ろうとしていた。木口はヘッドセットを装着すると、ソファの上で座禅を組むような姿勢になり浮島からの指示を待った。この実験に参加するため、わざわざ秋葉原で買って来たものだ。そう言えば⋯自分の意識を参加者全員に共有させると言っていたが⋯具体的にどうするのか指示はなかったし、自分でも何も考えていないことに気がついた。浮島が上手い具合に導いてくれるだろう⋯今はそう信じて待つことにした。それにしても、仮眠の際に見た夢が気になる⋯あの夢は一体何だったのだろう。そう漫然とPCを眺めていたら、巨大掲示板「たらばがに」のオカルト板である異変が起きていることに気づく。

集団幻覚疑惑

前日の実験の噂を聞きつけたのか⋯心理学や催眠術などの方面からの書き込みが増え、実験に対する否定的なコメントが徐々に目立つようになっていたのだ。浮島氏による誘導催眠、集団幻覚の一種ではないかとの声が目立つ。不安になる木口⋯そして、再実験開始時刻になる。前日同様、まず最初に浮島のガイダンスから始まる。その後、浮島の合図で全員が一斉に瞑想状態へ入った。今回も時間をかけて徐々に深い変性意識状態へ移行させる。しばらくすると、浮島が木口に指示のようなものを出して来た。直近で見た夢の内容をイメージするよう言われた。とりあえず、木口はまどろむ意識の中で、本日の仮眠の際に見たものを強くイメージして見た。直後⋯実験参加者の間から再び歓喜の声が上がる。巨大なUFOが現れた!!見えた!!と叫ぶ者が続出したのだ。

異変の予兆は日清焼きそばUFO

浮島の木口に対する呪文のような言葉がさらに続く⋯今度は特定の実験参加者のみを意識して、何かをイメージするように指示を出した。ここで木口はチャンスとばかりに、自身に憑いている座敷わらしを、法経大学経済学のデノレタに見せることを試みた。直後⋯女性の大きな金切り声が鳴り響き、一同、驚く。デノレタの叫び声だった。木口は訳が分からなくなるも、浮島の指示により実験は中断となった。一方、デノレタは鼻血が止まらないと叫び続ける⋯とりあえず、前回同様、観察担当者が最初に見えたものを絵に書いてすぐに提出するよう、デノレタを除く9名の実験者参加らに対して指示を出す。その結果は別の意味で驚愕すべきものとなった⋯木口と浮島だけ宇宙人のUFOであったが、それが以外の者は日清焼きそばUFOのイメージであったのだ。

◇ ◇ ◇

ここで一旦、本作の制作は中断します。続きは現在準備中の小説サイトで展開して行こうと思います。

サイト運営者から大切なお知らせ

本作に登場して来た人物は⋯お察しの通り、木口はホロ氏、浮島は浮き草氏となります。当初、両者を弄りながら真実に迫ろうと画策しておりましたが、調査を進めるうちに真実が次々と明るみとなり、現状においてオカルト界隈の一角で噂されているような内容とはまったく異なることがほぼほぼ判明しました。このため、現状のスタンスのまま突き進むと、かえって真実から遠退く恐れを感じ、小説の執筆を一時中断しておりました。個人的な気持ちの整理も必要であったため、長らく沈黙のようなものを続けておりましたが⋯ここで改めて、今後の方向性について述べておきます。以降、可能な限り事実に近い⋯タルパ戦争に関しては、完全なノンフィクションとして書いて行きたいと思います。以下、タルパ戦争に関する事実を列記します。これが事実だろうと考えます。

タルパ戦争と呼ばれた出来事の真実【最終確定】

当サイトでは「共有ダイブ」と呼ばれるものに関しては、否定的見解を持っておりますが、その是非は別扱いとして、ただ事実だけを列記したいと思います。私の誤認もあるかもしれません。

  • タルパ戦争は思念伝達を応用した超心理学的な検証実験に過ぎなかった。
  • 実験内容は一つのダイブ界を遠隔地にいる者同士で共有し合うもので、当時はそれを「共有ダイブ」と呼んだ。
  • 実験のリアルタイム性はSkypeを利用することにより十分に確保していた。
  • ホロ氏が第三者からタルパを譲り受けた事実はない。
  • この事件の裏で何らかの対人トラブルが発生していた。これに起因した誹謗中傷、風説の流布による被害をホロ氏、浮き草氏が受け、最終的にブログ閉鎖に追い込まれ、両名とも行方不明となる。
  • 噂されているタルパ戦争は、前項の加害者側による作り話だった。
  • 一方で、ホロ氏、浮き草氏、この両名の沈黙、雲隠れは合点が行かない。前項加害者も最終的に謎めいた言葉を残して雲隠れした。いずれの関係者も著しく合理性に欠けた姿勢であり、理解に苦しむのも当方の本音である。

以上、異議があればお申し出ください。