オカルト小説「Re:タルパ戦争」不可思議な体験

投稿日 2023.09.22 更新日 2023.09.22
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実験に参加した者から、浮島に対する賞賛の声が次々と上がった⋯雅楽のようなメロディも聞こえて来たと主張する者まで現れ、実験終了後も興奮が冷めやらない状況と化した。とりあえず、実験観察を担当していた者が確認のため、参加者ら全員に対して見えたものを絵に書くよう指示し、それを回収して確認したのだが⋯見事に何から何まで一致する結果となった。全員、見えていたものはまったく同じもので、離れた場所にいる者同士で意識が共有されたことを示すものであった。巨大掲示板「たらばがに」のオカルト板でも、意識の共有化⋯すなわち「共有ダイブ」の実現性について賛否両論巻き起こった。このため、今晩も同じ時間に全員集合し、再度、同じ実験を行い再現性も確認しようと言う話になった。これに異論を唱える者がいなかった。

意識共有の再現性を確認する議論へ

実験に参加した10名も、全員、今週末は予定がないとのことで、再実験の参加に快諾した。二回目は再現性の確認を主な目的としたが⋯実験内容そのものがまったく同じでもつまらないだろうと言うことで、今度は浮島以外の誰かの意識を全員で共有させてみようと言う話になった。ただ⋯自分の意識を暴露することに抵抗感もあったためか、率先してこれを引き受ける者が現れなかった。致し方なく浮島は身内となる木口にお願いすることにした。霊的能力に関して言えば、参加者の中で浮島に次いで何気に木口が強かった。霊能者としての能力に目覚めたばかりの初心者で、そのコントロールにおぼつかない不安な側面はあったが、そこは浮島の力でカバーすることにした。木口も浮島を信じてこれに承諾した。そして、今晩の再実験に備え、ここで一旦全員睡眠を取ることにした。

未知との遭遇

木口も今晩の実験に備え、しっかり、睡眠を取ることにする。軽い食事を口にした後、自室のベットに入る。座敷わらしとはいつも一緒に行動しており、寝る時も添い寝をしていた。いつの日か⋯良い女性を見つけて、三人で川の字で寝れる日がやって来るのだろうか⋯そんな妄想に耽りながら眠りに就いた。その日の晩⋯いや、昼間か。木口はこんな夢を見た。座敷わらしと二人で草原を歩いていたところ、突然、巨大UFOが出現⋯ビームのような光を照射されて、中へ徐々に引き寄せられた。UFOの内部と思しき格納庫のような場所へ引き込まれると、そこには大勢の宇宙人たちが待ち構えていた。宇宙人たちは二人を見るや否や一斉にひれ伏し床にひざまずいた。代表者と思われる宇宙人が木口と座敷わらしに近づいて来た。そして、座敷わらしの前に立ちひざまづいた。

運命の歯車が回り出す時

一方、霊力を大量消費したようで、流石の浮島も疲れ果てたようだ。今晩に備え、しっかり睡眠を取って英気を養うことにする。浮島は大学近くの高級タワーマンションに住んでいた。これは浮島の父親が仕事で上京する機会が多かったため、第二の生活拠点として購入したものだった。浮島の父親も強い霊力の持ち主であり、その能力を買われて、在京のテレビ局からも引っ張りだことなっていたのだ。心霊特番などオカルト関係の番組が放送される日に呼ばれ、除霊や祈祷などの儀式を執り行い、裏からこの手のテレビ番組の放送を霊的に守り支えていたいのだ。そんな話はともかく⋯浮島も妙な夢を見ることとなる。自衛隊の制服を着た男たちに連行される夢だ。腕を両脇から掴まれ、窓のない暗い部屋の中に強引に連れ込まれる。そこはまるで取調室のような場所だった。

あるオカルト研究家の陰謀

更梨は釈然としていなかった。まぁ、今晩の再実験でそれがすべて明らかにされるだろう。知り合いの霊視能力に長けた霊能者に、実験を霊視するように依頼を出しておいたのだ。その他、透視能力を得意とする超能力者など、幾人かに声をかけ、最終的に5名からなる独自の検証チームを構えた。更梨は羽田空港近くにある海辺のマンションに住んでいた。ここまでやる必要があるのか?そう、自問自答しながら⋯自室ベランダから夕暮れの東京を見つめる。頭では理解していても、心の奥底に押さえつけられた何かが⋯それを許さなかったようだ。とりあえず、自分の直感を信じて行動を移すことに決めたのだ。すると⋯突然、目の前に銀色に輝く球体が出現した。ありえない挙動を次々と見せた後一瞬で消えた。更梨は度肝を抜かれ目を擦るも⋯そこには、いつもの東京湾しかなかった。