夢の登場人物との会話に効率的な自動化訓練のヒントがある
人間が夜、寝ている間に見る「夢」は、本当に摩訶不思議な世界です。日常的でごく当たり前な生理現象であるため、あまり深く考える人はいないと思いますが⋯よくよく考えて見たら、夢の中に登場して来る人物と自然な会話が成立しているのは狂気だと思いませんか?なんで自分の頭の中でそんなことが起きるのか?シンプルに謎です。まぁ、医学的には脳に蓄積された情報が、記憶整理の過程で発生する「条件分岐」により再生される感じになるんだと思います。これが連続的に行われることで、まるで自然な会話が成立しているかのように誤認しているのかもしれません。夢は一本のフィルムからなる映画のようなものでなく、夢を見ている本人が条件分岐となる部分で無意識に選択を繰り返すことで、ストーリー性のようなものが出来上がるんだと思います。
二つの言葉から共通する関連イメージを言語化する
人工精霊(タルパ)の自動化を難しく感じたり、まったくできない原因は、この条件分岐を上手い具合に織り込めないからだと思います。一人二役に徹してオウム返しでもさせるかのような単調な訓練では不可能だろう。一つの言葉を投げかけて、それに対する問いを求めるやり方は効率が悪い。では、どうすれば条件分岐が織り込めるようになるのか?これを特別意識する必要はない。前回記事の最後あたりに「思考と思考の隙間から言葉を自然誘発」と説明したと思う。条件分岐とはまさにこれである。具体的には、二つの言葉の組み合わせからなる質問を投げかければ良いのだ。二つの言葉の間から別の何かが出て来る⋯そんな感じである。選ぶべき言葉は最初のうちは簡易な名詞が適切かもしれない。二つの言葉の共通する関連イメージを言語化させて行く要領となる。
3~4歳程度の幼児と普通の会話をするような感覚で始める
これにより想起した言葉⋯つまり、思念体の口から発せられるようになる言葉が、条件分岐により無意識に選択される言葉となる。これを繰り返し行い、持続させることで、本物の人間と話しているかのような自然な会話が成立すると言う訳だ。変に簡素化するよりは逆にイメージが想起しやすいように、ある程度複雑化した方がいいのかもしれない。複雑化と言っても難しく考える必要はない。普通に本物の人間と会話する感覚で臨めば良いのだ。目安として3~4歳程度の子供と話でもするかのように始めて、徐々に難易度を高めて行けば良いだろう。半年もすれば小学校高学年程度まで自動化が進むかもしれない。まぁ、この辺は個人差によるだろう。お笑い芸人の原始人コントのように、単調な言葉を一語づつ繰り出し、それに対する反応を期待するやり方は効率は悪い。
通常意識状態でも可能な訓練方法であるが⋯
簡単過ぎると逆に難易度が上がる。とりあえず、最初のうちには急がずゆっくりやると良いだろう。あまり早くやろうとすると条件分岐による無意識な言葉の選択処理が追い付かなくり、自動化が上手くできなくなる。尚、ここでの話は、夢のメカニズムをヒントに開発したものだが通常意識状態でもできなくはない。一般的な人工精霊(タルパ)の自動化訓練を想定したもので、私が以前、人工精霊を作る際に試したやり方だから。それでも、訓練を開始する前は軽い瞑想(1分程度の無心状態を維持)をして心を落ち着かせてからやった方が望ましいだろう。心がかき乱れた状態で訓練をやれば、それ相応に成長して行くのは言うまでもない。もちろん、ダイブ(白昼明晰夢)して夢の中でやるのが一番効率が良く、短期間で完全自動化が望めるのは言うまでもない。
自動化は思念体の成長方向を導き出すプロセスでもある
もちろん、一語づつでもイメージの想起は普通に起きる。しかし、選択の幅が広がり過ぎてワケワケメとなる。例えば、リンゴと言われたら⋯赤いだのiPhoneだの白雪姫だの青森県だのウィリアム・テルだの⋯収拾がつかないくらい様々なイメージが湧いて来ると思う。簡単にすると逆に難しくなると言うのはこれである。とりあえず、リンゴ/白雪姫と組み合わせる形にすれば、そこから想起するイメージは限定的なものとなる上に、一定の方向性(思念体の成長方向)が導き出せるようにもなるだろう。その応答内容や方向性のようなものは、思念体を作る本人の語彙力はもとより、性格や気質にもよるところとなるだろう。この親にしてこの子あり⋯これは思念体の世界においてもまったく同じと言える。この点をよくわきまえて自動化訓練に挑戦しよう。