自称イマジナリーフレンド症候群
イマジナリーフレンドは特異な認知現象でありますが、多くの人が幼少期に体験しているもので、精神的な病理現象とは違います。発達途上にある幼児の脳は、現実と空想の区別が付きづらく、現実に空想の産物が映って見えたり、空想で間接的に現実を受け止めている状態と言えます。成長するに従い、現実と空想の区別がきちんと認識できるようになるので、概ね小学校に入るあたりでイマジナリーフレンドは現れなくなるようです。一部の方が大人になるまで消えることなく、運命の相棒として一緒に楽しく過ごすようです。その一方で、双極性障害や内在性解離などに起因する幻覚症状なのに、イマジナリーフレンド所持者を自称している不可解な方がおります。前回の記事に続き、この辺りをもう少し深堀して、その深層を解明して見たいと思います。
双極性障害を原因とするパターン
誰でも気分の良い時があれば悪い時もあります。双極性障害はそれが極端化したもので、安定した社会生活を送る上で支障となるものです。躁状態と鬱状態を交互に繰り返す様子は、気分と言うより気質、すなわち、性格の豹変を思わせるくらいのものとなっております。このため、双極性障害を患った者の中から、勝手な自己診断で解離性同一性障害を自称するケースが目立ちます。さらに、イマジナリーフレンド所持者が何らかの精神的ストレスを受け、イマジナリーフレンドに人格を乗っ取られる希少例を引き合いに出し、分離したと称する人格をイマジナリーフレンドやタルパと拡大解釈、人格交代による「憑依」と放言するまでに至ります。所詮はただの気分のむらによる「なりきり演技」なので、人格交代中の主人格の記憶をボロに出してしまうことが珍しくありません。
内在性解離を原因とするパターン
誰でも不安や迷いを感じることはあります。内在性解離はそれが極端化したもので、やはり⋯安定した社会生活を送る上で困った問題となります。不安や迷いで意識にまとまりがなくなり、いろいろな思考が分離、さも人格が分裂したような感覚に陥ります。このため、内在性解離を患った者の中から、イマジナリーフレンドやタルパが自然発生したものと思い込むケースが目立ちます。解離性同一性障害のような記憶が飛ぶ人格交代は起きないため、初期の頃は本物と変わり映えしないものとなりますが、所詮はストレスやトラウマに起因したものなので、不安定化は避けられないものとなります。前回記事でも指摘した通り「内在的な心理投影」と化し、イマジナリーフレンドに対する怒り、または、イマジナリーフレンドに責任転嫁した第三者への怒りをあらわにするようになります。
元から精神に問題があった者の顛末劇に過ぎない
イマジナリーフレンド所持者が統合失調症になることはありません。人工精霊やタルパも最初からそうと理解した上で挑戦するものですから、基本的に注意事項を守っていれば統合失調症になることはありません。その注意事項も精神に重大な問題を抱えている者に対する事前警告となります。つまり、イマジナリーフレンドにしろ人工精霊にしろタルパにしろ⋯これらで問題を起こす者は、元から精神に何らかの異常を持っていた者で、注意事項や事前警告を無視した結果に過ぎません。双極性障害とか内在性解離とか⋯です。そして、これら二つの症状は末期ともなれば統合失調症であり、制御不能となった不可視の存在がそれを加速させることでしょう。忠告しても聞き入れるような連中ではありませんので、もう勝手に自滅してもらう以外に手立てはないと言えます。
視覚化は非推奨にすべき危険な技法
もちろん、救いがまったくない訳でもありません。本物へ転じる可能性はゼロではありません。そのための対処方法について、本サイトで追々書いて行こうと思いますが⋯現状においては、まずは入口の方を塞ぐのが先決と言えます。ダイブを利用した新しい方式への実践形態の転換は、そのための方策の一つと言えます。そして、何よりも現実空間を背景にした「視覚化」と呼ばれる技法は、もはや全面的に非推奨、原則禁止にすべき行為だと考えます。非常に危険であり、これまで述べて来た通り、視覚化の実践形態と精神疾患の症状の相似性から、後者の方々がこちら側に彷徨い込んで来る最大の原因と化しております。精神疾患と区別、住み分ける意図からも視覚化は非推奨として、自然の成り行きに任せ、実現時は個々の秘奥義として非公開、非公表にすべきものと考えます。