内在的な視覚化「意識化」のススメ
これまでの話から、リスクを考慮して視覚化までやらないと決めた場合、いちいちダイブしないとイマジナリーフレンドと会えなくなるのか?と、疑問と言うか⋯ちょっとした不満、物足りなさを覚え「どうだかなぁ~」と思い始める方も出て来ると思います。精神的に健全なライフスタイルを維持するためにも、その方が本来的に良いと思います。しかし、イマジナリーフレンドともっと自然な形で、日常的に接したい人には納得がいかないと思います。通常の意識状態(変性意識でない)で、頭の中で限定的かつ一時的に過ごさせる方法もあります。視覚化は外在的な技法になりますが、この場合、頭の中⋯すなわち、内在的となるので「意識化」とでも呼んでも差し支えないでしょう。ただし、必要に応じて呼んだり、最後は必ず空想世界へ帰ってもらう形にしましょう。
空想と現実の中間世界「疑似ダイブ界」を設置しよう
頭の中で限定的かつ一時的に過ごさせるとは、空想世界から呼び出したイマジナリーフレンドを顕在意識の領域に常駐させる形になります。空想世界の出入り口付近に、小さな部屋でも作れば良いと思います。仮にそれを「疑似ダイブ界」と呼ぶことにします。空想世界のようにあまり欲張らず、小さいながらも楽しい空間に仕上げると良いでしょう。とりあえず、その中にいて所持者と脳内で会話して楽しむ感じになります。イマジナリーフレンドは疑似ダイブ界から出さないよう心がけましょう。ただし、疑似ダイブ界となる部屋は、イマジナリーフレンド所持者のもの、自分の部屋と認識付け、イマジナリーフレンドは訪問客の立ち位置にしましょう。でないと、部屋で勝手なことをされない保障はありません。イマジナリーフレンドの家や部屋は空想世界側にあります。
疑似ダイブ界も必要な理由
顕在意識領域においても、隔離的な空間(疑似ダイブ界)のイメージを持ち、イマジナリーフレンドの意識化を心がけた方が望ましいと言えるでしょう。イマジナリーフレンドに顕在意識領域のすべてを許す不自然な一体化、同一化に近い状態は避けましょう。もちろん、このようなことが原因で解離性同一性障害(多重人格)になることはあり得ませんが、イマジナリーフレンド所持者本人の自我が弱まる危険性があるため注意しましょう。うつ病や双極性障害などの精神疾患を誘発する恐れがあります。また、冗談でも「憑依」や「交代」と称して遊ばないようお願いします。それが常態化することで、どのような精神的悪影響があるか分かりません。降霊術やイタコの知識なしに実践するのは危険です。心理学の側面から見ても、催眠や自己暗示による弊害が危惧されます。
手段の目的化には要注意
オカルト的にみる憑依、心理学的に見る催眠⋯どちらにしても、最終的に変性意識状態となり挑戦する訳ですから、元から心が強く相応の鍛錬をした者でなければ危険です。寝ている時に見る「夢」を、起きた状態で見ながら、自分以外に誰かに成り代わる行為は危険と言わざるを得ません。人工精霊・タルパの世界では、この点あまり気にされず、人工精霊、タルパ専用のSNSアカウントを作成して活動されている方が少なくありません。なりきりと批評するつもりはありませんが⋯大半は一人二役の自動化訓練を兼ねた軽いノリでやっているんだと思います。たしかに、自動化の基礎訓練としては有効的な一面はあると思います。しかし、本来の目的である人工精霊やタルパの育成を忘れ、それだけになってしまっている人がいます。適当なところでやめた方が望ましいでしょう。
自分らしさを失ってはいけない
人工精霊、タルパ、イマジナリーフレンド、いずれにしても、実践者本人の意思と同時並行的に存在しなければならないものです。それら存在と強い信頼関係が確立されており、かつ、降霊術やイタコ(もしくは、催眠術)に精通した者でない限り、憑依は禁忌になると思います。実際問題、自分を見失って訳がわからなくなっている人がたくさんおります。幸福追求のためには、自分らしさの維持とそれを現実でどう活かすかを考える必要があります。自分と言う存在が希薄になり、空想だけに入り浸ってだけの人に未来はありません。解離性同一性障害もそうですが、本物であれば不必要にSNSはやりません。存在別にアカウントを大量作成する者は、うつ病や双極性障害などによる思い込みか、なりきり演技の偽物(アフェリエイター等の業者、愉快犯)のどちらかです。