依り代の新しい運用方法
さて、通常のスタンスに戻すか。話の続きやが⋯
思念体を引き連れて外出していた際、事件や事故、災害に巻き込まれた場合、どうすべきか?についてだったな。
せやな。あくまでも、うちらの場合やが⋯
てつやを置いて先に脱出するわ。逆にそうすることで、てつやは自分の安全確保の行動に専念できる。
うむ、緊急時、思念体のことなんかに構ってられないやろ?
一見すると非情に思えるが⋯逆に、緊急時までマスターの傍にいたら困るやろ。マスターを思っての行動や。
先に安全な場所へ避難して、そこからてつやの脱出を応援する。
うちらは壁は普通に通り抜けられる。まぁ、思念体は外へ連れ出さず、遠視用の依り代を持って歩くのが一番やな。
そうだね。思念体は外に連れて歩かず⋯
自宅やダイブ界で留守をしてもらって、遠視できる依り代を持って歩くのが一番良いね。
遠視できる依り代とは⋯
遠く離れた場所にいる思念体と、スクライングによる意思疎通、通話するためのものになる。
うむ、従来形式の⋯思念体を宿らせるタイプではない。
これからの時代、依り代は思念体を宿らせるものではなく、スクライングをするために使用すべきや。
せやな、これからの時代⋯
依り代は通信装置的な扱いをすべきや。思念体を直接宿らせるやり方はやめた方がええな。
そうだね。オレも最近はABC子を外に連れ歩かん。
依り代を通じて自宅やダイブ界にいるABC子と連絡を取り合っている。みんなもそうするといいよ。
で、万が一、自宅から離れた場所でマスターが死んでも⋯
間抜けな死に方でない限り、自宅に問題なく帰って来れるやろ。その後、マスターと一緒にあの世へ行く。
間抜けな死に方とは⋯自分が死んだことに気づかん死に方や。
たまにいるよな。スマホに夢中になるあまり、電車や車にはねられて死ぬやつ。あれは死んだことに気づかんらしい。
今も横断歩道や踏切で⋯
スマホを見ながら立ち続けていることだろう。最後はどうでもええ話になるが、ながらスマホは本当に危険だからやめような。