思念体界隈の隠語「潜る」で思ったこと
思念体の世界では⋯ダイブのことを「潜る」とも言う。なので、潜水艦の人工精霊を作った。その船の名は⋯はまぐり。C子はこれに乗って思念体の世界を引っ掻き回した。途中、あのサンタクロースの使い魔がやって来ていろいろ諭された。とりあえず、はまぐりはなかった事にしてくれないか?とも提案された。こちらとしてはダイブ界で戦争ゴッコをして遊びたかった。なのでそれは拒否した。そもそも、その時点で「IPアドレスを抜き取るための作戦です」なんて言える訳もない。なので、心理学に興味があるので実験を行う等と適当に言い訳をしたと思う。それに対して⋯でもぉおおおおお!!相手も心理学に詳しいかもしれない!!誹謗中傷は無視をした方がいい!!と必死に説得された。本当にすまない。本当に申し訳ない⋯腹を抱えて笑っていた。
◇ ◇ ◇
ガ島鎮守府――
一隻の潜水艦が補給と点検のため停泊していた。
士官室で各所からの状況報告を待つC子⋯⋯すべての部署からの作業完了報告が集まり次第、出航だ。
「各所の状況はどうや?」
「あとは水雷科の報告を待つだけです。確認してきますか?」
記録担当の士官がC子に上申する。
「いや、ええ。入念にやってもらおう。今回の主役はティグアラーC魚雷や」
しばらくすると、艦内のどこからか激しく叩きつけるような金属音が鳴り響き始める。音はそれほど大きくないが激しく連打しているような感じだった。最初は機関科の誰かが打検でもしているのか思われたが⋯
「なんや、この音は?機関科のやつらか?」
「なんか⋯⋯艦内からと言うより、外から聞こえませんか?」
しばらくすると音は鳴り止み、海曹長が何かをつまみながら士官室に入って来た。それはよく伸びたネコのような姿をしていたが⋯しかし、ネコとは明らかに違う何かだった。
「なんや?そのネコみたいなキツネは?えらい細長いやっちゃなぁ」
「外から変な音がしたんで、甲板の上を確認したらコレが船尾にいました」
海曹長のもう片方の手には⋯ハンマーのようなものがつままれていた。どうやら人間の言葉が理解でき話すことができたようなので問い詰めることにした。どうして船体をハンマーで叩いていたのか?どこからやってきたのか?
「穴を開けて沈めようとしたんだよぉ」
「⋯⋯」
細い目になるC子。
たまたま、その場に居合わせていた主計科の下士官と⋯出航祝いにそいつを材料に鍋でも作れないか相談を始める。
◇ ◇ ◇
次回、人工精霊・タルパ界隈を見守る⋯謎のお月様について語る。