なりきりでも作り話でも心象そのものは本物
イマジナリーフレンドは原則として生まれつき、先天的なものになります。しかし、後天的に作り出せないこともありません。ダイブ(白昼明晰夢)ができるようになれば、人工精霊やチベット密教の秘奥義として知られるタルパの感覚で、後から生み出すことは可能です。既存の人工精霊やタルパとの違いは、現実空間でやるかダイブ界でやるかになります。また、ダイブ界での話の流れ、シチュエーションから自然発生的に獲得する感じになるので、創造型と言うよりは邂逅型/発生型に近い感じのものになるかもしれません。いずれにしても、思念体を作る、生み出すのが前提で意図的にダイブを行う点は、一般的な空想と大きく異なる点になると言えるでしょう。しかし、空想を深化させて行くうちに、無自覚、無意識にそう言った存在が生み出されることもあります。
創作的手法による思念体の作成について
世の小説家や漫画家などの多くがそうなんじゃないかと思います。キャラクターを創作する際、設定した性格に基づく言動や挙動などの動的イメージングは必ず行っているはずなので、無自覚、無意識に思念体を生み出している可能性はあると考えます。それはともかく、思念体の世界では「なりきり」が悩ましい問題として付きまとっています。最近は⋯思念体の原理原則論から大きく外れた完全な創作、ただの「作り話」をしているだけの者も目立つようになって来ました。別にそれが悪いとは言いませんが⋯なら、なりきり界隈か創作界隈へ行けば良いと思います。当サイトで提唱している創作的手法による思念体の作成は、あくまでも、ダイブ(白昼明晰夢)や変性意識の伴う白昼夢に近い空想を前提としております。その点を見誤らないよう強くお願いいたします。
いらぬ誤解を生じさせないためにも
とは言え、なりきりは思念体の設定した性格に基づく言動、挙動作り、作り話のようなものはダイブ界のシチュエーションを醸すために必要となる事前情報にもなります。頭ごなしにいきなり全否定するつもりもありません。ああ、この人は思念体のテストをしているんだ、ダイブ界の設計をしているんだ⋯思念体の世界にいる既存住人からそう理解されるため、誤解を生じさせないためにも、それならそうと目的は明示した上でやった方が望ましいと言えるでしょう。この世界は⋯とにかく、説明不足から来る対人トラブルが絶えません。いくら主観の世界の産物だからと言って、前提条件や目的くらい表明してもらわないと、ただのなりきりなのか?作り話をしているだけなのか?まったく判別につきません。紛らわしいので、必要最低限な意思表示だけはしっかりしておきましょう。
心象そのものは正真正銘の本物
あまり具体例を挙げると、その方に対する誹謗中傷になる恐れもありますし、批評であったとして心を傷つけるものであっては絶対にいけません(ただし、メンヘラは別だ)。ただ、この問題を語る上で避けられないので引用させて頂きます。以前、タルパに寿命を設定して、生きている間に起こる出来事の記録を試みようとした方がおりました。設定した寿命は一カ月と極端に短いもので、関係各方面から強い憤りの声が上がったようです。たしかに⋯タルパは一度でも完遂したら原則として消せません。不可逆的なものになるので寿命の設定は不可能です。故にただの純然たる創作であり、この場合のタルパはタルパではありません。しかし、その人の心象まで否定するのもどうかと思います。多くの関係者が憤る中、個人的にはその人の心に興味を覚えましたね。
言葉で伝えるには難しい心象もある。だから⋯
先にダイブを⋯と言わないまでも、宮沢賢治のような空想の心象世界を作り、タルパとしてではなく、心象世界の住人として扱っていれば問題化は避けられたかもしれません。極端に短い寿命設定と少し残忍に思えますが、その存在との交流を通じた心の変化、成長のようなものが短期間で期待、実感できたかもしれませんね。批判を集め過ぎて、その後の経緯や結末は不明のままとなってしまいましたが⋯なぜ、蝉やカゲロウのごとき儚い存在に仕上げようとしたのか気になります。不器用ながらも「ものの哀れ」と言った、感動的な情緒の表現に意欲をかき立てられた⋯そんな気もします。一見すると残忍に思えますが、優しさの裏返しと話を咀嚼できなくもありません。まぁ、個人的な所感。今となっては分かりようありませんが、結論からしてダイブを先に習得しておけです。