ガ島カッタースクール物語「あゝ枝豆島」予告編
閻魔大王は疲れ果てていた⋯ここ十年ほどの間、日本と言う国からやって来る者の中に、変わった性格をした者が増えて来た。獄卒の鬼達も嫌がり、地獄の業務に大きな支障を与えていた。そう⋯メンヘラや病み系と呼ばれる者達である。とにかく、話が通じない。大半は自〇をした者になる。自〇は重罪で即地獄行きの事案となる。もちろん、それは原則論でありすべてのケースに適用される訳でもない。病気を苦に自〇した人は、生前の行いによっては天国へ送致する場合もある。しかし、そのような情状酌量の余地のまったくない者は、それまでに積み重ねて来た罪状に応じた、堕ちてもらう地獄の種類を決める裁定を受けるだけとなる。しかし、地獄の法秩序を混乱状態に貶め、相手にするだけで疲れるメンヘラは⋯地獄であってもお断りな風潮になりつつあった。
◇ ◇ ◇
地獄はすでに満員状態である⋯⋯
獄卒の鬼達も限界に達し、給与アップ等の待遇改善を求めストライキをする始末であった。原因は次から次へとやって来るメンヘラにあった。
困り果てた閻魔大王は、この世とあの世の中間地点で、メンヘラに矯正教育を施し、元の世界へ戻せないか考え始めていた。
専用機に乗ってデスタウンのとある国へ向かう⋯⋯
その国の名はガトー公国。年がら年中クリスマスお祝いムードに包まれた国である。サンタクロースの本拠地でもある。
閻魔大王はガトー公国のドンダケ・トゥンパー首相と会談を行い、ガトー公国がメンヘラの一時収容と矯正教育を行うことを提案した。
その代わり、ガトー公国は地獄から毎月それなりの報酬を受け取ることとなるが⋯⋯やっぱり、なんか割りに合わなくねぇみたいな感じの話になり、ガトー公国でもメンヘラに頭を痛めることとなる。
そんな状況を打開すべくC子が立ち上がった。
ガ島海軍士官学校⋯⋯通称、枝豆島の敷地内にメンヘラ矯正のためのカッタースクールを開設した。
カッターとは短艇とも呼ばれる手漕ぎボートのことで、10人程度が乗り込み、全員が協力して力を合わせて動かす船である。
C子はメンヘラ達に⋯⋯容赦なく、凸蚊校長並みのしごきを行う。
果たして、何人のメンヘラが生き残れるか?いや、〇んでんねんけど。だがしかし、脱落した者には畜生道へ行ってもらい、来世は牛さんや豚さんになってもらうことを宣言し⋯⋯いや、素でそう脅迫しまくる。
◇ ◇ ◇
誰だよ。統合失調でないとタルパ作れないとか言ってる麺は。枝豆島でボコボコにするわ。