病理的幻覚を本物のイマジナリーフレンドに変える方法
双極性障害や内在性解離などの精神疾患に起因する幻覚症状を、イマジナリーフレンドやチベット密教の秘奥義として知られるタルパと認識してしまっている方がおりますが⋯そう認識してしまっている存在自体は否定しません。どうにかしなければならないその人自身の心の問題となります。良好的な関係を築けるのは難しく、多くの場合、存在との心のせめぎ合い、葛藤のようなものが頭の中で繰り広げられるようです。その解決方法について考えてみたいと思います。具体的には二つの方法に分かれます。一つは、自己同一感を再獲得して消去する方法。もう一つは、存在自体を無条件に全面肯定してイマジナリーフレンドに変える試みです。かんたんではないと思いますが、やってみる価値はあると思います。ただし、以降の話はすべて自己責任でお願いします。
意識の一部がキャラクター化される原因
まず、双極性障害や内在性解離などの精神疾患で、自分の意識の一部がさも分離され独立した別の意思を持つ存在、キャラクター化される原因について考えてみたいと思います。原因はいろいろあると思います。とりあえず、問題を自分から切り離して、別の何かに置き換えることで、精神的なバランスを保とうとしているんだと思います。これは以前にも指摘した「内在的な心理投影」となるものです。また、ドッペルゲンガーのように自分と瓜二つの姿をしていると、ゲシュタルト崩壊でも起こして気が変になりそうです。もちろん、双極性障害や内在性解離を発症した人のすべてに起こり得る現象ではありません。これらの症状は、曖昧な自分に対する違和感です。ごく一部の人だけが、何かをきっかけに変なスイッチが入ってしまい「空気のお人形さんごっこ」を開始します。
オーバーフローした余剰思考
あらゆる精神疾患の治療で共通して言えることは、本来の自分らしさを取り戻すための地道な作業に他ならないと思います。しかし、自分探しのような真似事を始めてしまうのが「変なスイッチ」の入るきっかけになるものと考えます。まずは、今の状況を整理しなければならないのに、新しい何かを見つけ出そうといらん情報をボンボン頭の中に投入して行きます。そもそも、双極性障害や内在性解離になるような人は、影響を受けやすかったり、流されやすい人です。当然、訳がわからなくなり症状がより悪化します。少しづつ問題と向き合い、自分の中で咀嚼して行くことで、意識の統一感を図らなけばならないのに⋯そうして、処理し切れなくなった問題を別の何かに置き換えるようなります。しかし、問題は人間である自分自身の感情なので、物のイメージにはならないようです。
自分の弱点と認めることで消えるかもしれない
人間や人間の言葉が理解できる動物のような存在、生き物のイメージとなるようです。なんかの石像で殴るとかんたんに壊れるもののイメージであれば、逆に自己統一感が得られるようになり治癒が早まるかもしれません。そもそもの話、余計な情報を頭の中にいれないことです。だからこそ、オカルトやスピリチュアル、心理学の世界なんかに足を踏み入れるべきではありません。医師の言うことを黙って聞いていれば良いのです。それはさておき、人間や動物のような存在である場合そんな真似はできません。鏡の中に写る自分の問題と認めて、存在に向かって「お前は俺の弱さだ」と叫びましょう。声に出す必要はありません。存在は悲しい顔をするかもしれませんが、存在はあなた自身です。ためらう必要はありません。そのうち「ああ、そうだよ」と言って消えるかも。
感情を再帰させる形でイマジナリーフレンドとして分離する
ただし、前項のやり方を行う上で注意点があります。消えろ!!やめろ!!などの否定的な言葉は禁句です。それでも消えない、あるいは、事情があって消したくないと言う人は、存在を無条件に全面肯定してしまうことです。前項のやり方とは真逆なものになります。自分の意識から完全に分離してしまうことで、自己同一感を再獲得する方法になります。どちらにせよ自分らしさを取り戻す点は同じです。とりあえず、存在の言うことを聞く、抱きしめる、ほめる⋯もう、これでもかって具合にやると良いでしょう。存在に自分の意思が乗っ取られる心配はありません。自分を認めてくれる相手を憎む理由はありません。あくまでも、存在は自分自身なので、感情を再帰させているだけですが⋯これで自己肯定感も高まり、存在を分離できる上、自己統一感の再獲得が叶うかもしれません。