我々人類は宇宙で孤独な存在なのか?
死後の世界を語るつもりで始めたシリーズだが⋯余談まで考察してみたいと思う。前回の内容をより具体的に煮詰めて行きたい。まず、電磁波ではなく別次元で媒介する方式の通信手段だが⋯太陽の光は地球に届くまで8分程度の時間を要する。地球から海王星以遠天体までともなれば数時間かかる。知的生命体の主要活動範囲が宇宙まで及ぶとなると、このようなタイムラグは解消せねばならない最優先課題として取り扱われるようになるだろう。現時点で光より速いものは存在しない。光速以上の運動が期待されるタキオン粒子なる説も提唱されているが⋯恐らく、このようなものが発見されることはないだろう。正確にはそれを探索する過程で、研究者たちの視点は⋯時間や距離と言った物理的制約を無視して、空間を瞬時に跳躍する何かへ移って行くものと思われる。
種の存続のためには光速突破は必要不可欠
光速突破は絶対条件になると言っても過言ではないだろう。そうでなければ、種の滅亡は絶対に避けられない。主星となる恒星はいずれ終焉の時を迎えるのだから⋯恒星は多くの場合、最後は膨張して爆発する。太陽も50億年後くらいにはそうなると予想されている。今現在生きるものからすれば、そんな遠い未来の話なんか実感に沸かないだろうが、種の存続を本気で考えたら、悠長な宇宙開発は許されない。大きな宇宙船でも作って宇宙の方々に人々を送り出す方法も提唱されているが⋯せいぜい、数光年程度の拡散が関の山だろう。また、この手のやり方は現実的でない。恐らく、送り出した側よりも早く、途中ですべて全滅する確率の方が遥かに高いだろう。まぁ、とりあえず⋯手始めに光速以上のデータ伝送が行える新しい情報通信技術が模索され始めるだろう。
ワープ航法は可能か?
いずれ、素粒子物理学の分野でそのための実現方法が発見されるだろう。本当に荒唐無稽な話に聞こえるかもしれない。ワープ航法の原理として提唱されているワームホールも数学で導き出した解に過ぎない。しかし、現時点において、数百光年離れた天体同士が連動している可能性のある現象が観測されているようだし、加速器でマイクロブラックホールを生成する実験が行えるまでに至っている。数千後くらい遠い未来の話になると思うが⋯まんざら、光速突破は無理でもなさそうに思えて来る。とりあえず、数十億年と言う恒星の寿命の範囲内で見れば、十分な望みと期待、現実味ある話に変わると思う。従来の電波通信は古い技術として廃れるのは確実だろう。電波望遠鏡で地球外知的生命体を探っても、何か徒労に終わる気がする根拠はこれにある(ただし個人のカンと持論)。
まずはデータ通信からの実証実験から
質量を持った物質(粒子も含む)を、光速以上のスピードで運動させるのは不可能である。ならば、空間そのものを捻じ曲げ、離れた場所同士を直接つなぐようなやり方が模索され始めるだろう。しかし、ここで大きな問題にぶち当たる。生身の人間を安全に通過させることができるか否かである。恐らく、ここから研究が捗らなくなり、さらに数百年から数千年の膨大な時間を要することになるだろう。まぁ、データ通信くらいはできるようになるかもしれない。地球と⋯長い年月をかけて木星あたりへ進出した人類同士が、リアルタイムで意思疎通ができるようになるだけでも快挙だろう。それでも、四次元ポケット的なものすら実現は困難だろう。木星の人が牛肉を食いたいと地球に頼んだら、地球から届いた物は凝縮された〇ンコのような不気味な黒い物体かもしれない。
物質伝送から意識保存へ
念のため書き添えておきますが、これは限りなく個人の妄想、カンによる未来予想です。話を元に戻すと、最終的に生身の人間は無理だが、意識は可能かもしれないと言う結論に至ると思う。しかし⋯意識だけ遠い宇宙に飛ばしてどうすんの!?と言う話にもなり、多くの研究者はこの時点で、この手の研究分野に対する熱意と意欲を失うと思う。でも、別次元を無限かつ永久不滅の記憶媒体になり得る可能性に目をつけた一部の科学者が執念深く研究を続け「飛ばすんじゃなくてこの中に留めればいいじゃね?」と提唱し始めるようになると思う。医学分野も驚異的な進歩を遂げているだろうから、すでに脳だけの状態で生き続けている人もいるだろう。意識と空間、時間との関係性についても相当研究が進んでいると思う。文明が孤高の道へ突き進むようになるのは想像に難くない。