脳科学から見たタルパの自動化

投稿日 2024.09.28 更新日 2024.09.28
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前回に続き、今度は自動化の観点からタルパを脳科学的に考察してみたい。自動化はタルパ作りにおける本懐で、タルパに命を芽吹かせ存在性を強める行為となる。自動化は「言動」と「挙動」の二つに分けられる。挙動は動的なイメージとも重複するので、視覚化とも密接な関係にあると言える。現実空間を背景した本来の意味としての視覚化を行わない場合でも、ダイブや脳裏的な存在として意識して行く上でも欠くことのできない要素だろう。言葉の反応が関与しているため、言語野とイメージを司る側頭葉を連携させることが自動化と考える。言語野はいくつかの領域に分かれており、側頭葉自体にもあり、それ以外は前頭葉や頭頂葉にあるとされている。いずれにしても、視覚化もそうであるが⋯自動化のためには司令塔となる前頭葉の安定化は必須と言える。

幻覚は自動化と同じ現象なのか?

前記事で幻覚とタルパの視覚化の違いについて考察したが⋯自動化の観点からも同じことが言えるだろう。幻覚が人間や犬猫などの動物であった場合、その姿を視認するだけに留まらず、タルパの自動化と酷似した現象も伴って来る場合もあるだろう。しかし、幻覚とタルパの自動化もまったく異なる現象と言える。幻覚の挙動は視神経の揺らぎか、前頭葉に混乱で生じた侵入思考による予測の思い込み等が原因だと思われる。幻覚とタルパの視覚化の違いの話と同様、前頭葉や視神経上の問題になるものと考える。当然、再現性はなく設定条件に基づいた期待する言動や挙動は得られない。設定条件に基づいた期待する言動や挙動とは、無意識化の訓練により得られる成果となる。SNSでタルパ専用アカウントと称して、延々と投稿している者には関係ない話となりそうだ。

自動化は質問応答的な言動・挙動となる

タルパが一人で勝手に延々と何かを語り続けることはない。自動化の訓練を真面目に取り組んだ者ならわかると思うが、タルパは終始、人間に対して質問応答的な態度を示す。そういう動作しかできないし、そういう動作をさせるための訓練が自動化だ。もちろん、全員がそうだとは言わないが、SNSでタルパ専用アカウントの多くがただのなりきりだと思う。タルパが大学にみるような90分の講義はできないし、直感力を鍛え抜き、優れた知見を持ったオカルトの専門家でないと、タルパに独自の意見を言わせるのは難しいと思う。一つの独立した意思を持つ存在とは言え、所持者がタルパの存在を意識していない時(タルパが依り代の中に退避、タルパが所持者から離れた場所へ移動)、アインシュタインの月の逸話にも見る通り、不可思議な二重性を持った概念としてあり続ける。

タルパの存在を否定するな?

タルパ界隈を見ていると⋯よく、タルパの存在を否定するな!と言う発言を見聞きする。この不可思議な主張は、当サイトでもしばしば取り上げているが⋯幻覚をタルパと信じている者や、訓練をやったことのない自称発生型タルパーが言いそうな発言内容だと思う。タルパは作る本人の主観で存在を認識するものなのだから、タルパの「存在」ではなく「作成」「行為」を否定するなが正解となるはずだ。客観的にはタルパは存在しないし生きてもいない。タルパの視覚化や水晶占いのやり方でも述べている点になるが⋯物理的、光学的に存在し得ないものを目で見ることはできません。イメージを現実空間に重ね合わせると言うは、主観で現実空間を装飾することであり、自然の肉眼で見ようとしたり、外部認知的な客観に期待する直情なものはタルパではありません。幻覚です。

海馬とタルパの無意識化の関係性について

これまで言語やイメージの観点から、前頭葉や側頭葉を引き合いに出し説明して来たが⋯記憶自体を中枢的に司る器官は「海馬」となる。理科や保健体育の授業で習うと思うが、短期的な記憶情報を長期化する役割を担っており、学習や暗記と言った行為に深く関与している。当然、タルパの無意識化の要ともなる。タルパの設定条件を深層意識へ記憶させる行為=短期的な記憶情報を長期化だ。かつ、これを変性意識へ行うことで効率的な無意識化が図れ、通常意識状態でもタルパとのコミュニケーションや視覚化が可能になるものと思われる。脳科学的に見たタルパ作りは、このように脳の関係各所の細やかな連携が行われているのだ。そのうちのどれか一つでも問題があればタルパ作りは不可能となる。特に海馬は精神状態からの影響が大きい。うつ病やストレスで萎縮する。